このごろ日中はまだ暖かいですが、朝晩はだいぶ寒くなってきましたね。
ヒツジを見ると暖かそうで、こんな格好したいなぁ、なんて思っちゃいますね。
ところで、「ヒツジの毛刈り」って聞いた事がありますか?見たことはありますか?
ここ、のんほいパークにいるヒツジたちも毎年5月前後(暑い時期になる前)に
「毛刈り」を行っています。
ヒツジの毛刈りを来園者の前で行った時に「刈った毛はどうするの?」とよく聞かれます。
なので今回は刈りとった毛が、のんほいパークではどうなっていくかをちょっと長~いですが、
ご紹介します!
まず、ヒツジを紹介します。
ここのヒツジはコリデールという品種(肉も毛も利用されている)で、
名前はリンカ、フウカ、ホイップのメスの3頭です。
そして、毛刈りですが、
このバリカン(1.5kg)を使って従来からあるヒツジの毛刈りの手順にしたがい、
ヒツジと人への負担が少ないよう、ヒツジを保定しながら1人で行います。
バリカンの他にはこのような大きなハサミで毛を刈る事もありますが、
私は腱鞘炎になりそうなのでほとんど使ったことがありません。
上手に刈るとこんな感じに1枚になります!これを「フリース」と言います。
この毛は、部位によってこんな感じに違いがあります。違いが分かりますか?
実は部位によって利用方法も違うよう(尻部は絨毯にしたり、首の部分は毛糸にしたりなど)ですが、
のんほいパークでは区別せず使っています。
さて、ここからが本題です。
1、洗毛
刈ったままの毛は少しベタベタして汚れもついているので洗います。
しかも、染色する時にベタベタしていると染まりにくいみたいです。
私はバケツに毛を入れて熱湯で3回くらい洗います。
そして冷めるまで放っておく。
染色したくない毛は脱水し、そのまま乾燥。
2、染色
こちらもバケツを使い、ぬるま湯に染色剤のやり方に従って行います。そして、脱水し乾燥。
写真では分かりにくいですが、右から刈ったままの毛、洗毛した毛、染色した毛です。
このままだと、加工しにくいので、
この「ハンドカーダー」で繊維をほぐして繊維の向きもそろえます。
一枚に毛を少し乗せ、もう一方を上に置き互い違いに動かすとだんだん綺麗にそろってきます。
←言葉で上手に表せていないですが…
こんな感じにフワフワになります!
3、加工
ウール100%のセーターなどを洗濯機で洗ってしまったってことありませんか?
これはヒツジの毛が「アルカリ性」「熱」「摩擦」に弱く、“フェルト化”したということです。
のんほいパークでは、ときどき来園者にも体験してもらうイベントを行っています!
こんなのを作ったりしています。
どうやったら初めての人も簡単にフェルト化を実感してもらえるか日々実験しています。
こんな感じで、刈られた毛はいつ行われるかわからないイベントのために加工され、
来園者の皆さんに会えるのを今か今かと待っているのでした。
そうそう、最近はミニブタたちの毛布代わりに、ヒツジの毛を敷いてみています。
時にはこんなものも作って、こっそりと飾っているので、
もぐもぐ広場の中を時々観察してみてくださいね!
(お雛様たちの着物や敷物は市販のフェルトです...市販はやっぱりしっかりしているなぁ~)
こんな感じでのんほいパークのヒツジの毛はかられた後も活躍してくれています!
ヒツジ担当