まずは、チンパンジーたちです。今年の4月30日でルイ(♂)が3歳を迎えました。
ルイが生まれてからは親や他の仲間たちも子育てや子守りを行うことで、社会性がより身に付いているのを実感します。母親のマルタは、出入室の際は必ずルイを抱いて行動し、授乳する様子もまだ見られます。また、危険を感じた際は、鳴き声で呼び戻します。父親のガイは、一緒に遊ぶこともありますが、気の引き締め役といったところです。チンタは、一番の良き遊び相手で、やんちゃなルイにも優しく気長に接しています。スミレやアンナは、遊び相手はもちろん、ルイを抱いて移動することもあり、母親経験はありませんが、母性本能もあるようです。アンナに関しては、全頭の中で唯一、餌を分け与える行動も見られます。
ルイが仲間に加わってから、群れにとって良い刺激となり、みんなの成長が垣間見られます。これからの群れの関係性や行動が楽しみです。また、ルイもガイやチンタのように逞しい立派な雄へ成長することを願っています。
次は、コフラミンゴです。今年も繁殖の時期がやってきました。3月下旬あたりから、フラミンゴの繁殖行動である複数羽での行進や頭を左右に振る旗振り行動が見られるようになりました。繁殖前には、それなりの準備が必要です。4月に入り、まずは展示場内の植栽の剪定や草取りを行いました。繁殖期には大がかりな作業を行うとフラミンゴたちが落ち着かないので、一掃しておく為です。そして、今年は水路を2カ所作り、1カ所は二股にすることで水辺への接地面が多くなるように工夫してみました。
ここまでの過程の環境変化でもフラミンゴたちにとっては良い繁殖刺激になっています。5月中旬の雨天時に、陸場の土を軽く耕したところ、嘴で土をついばんで営巣を行う行動が見られました。まだ、未完成ですが、こちらが第一号の営巣箇所です。
そこで先日、アフリカ園グループ総出で営巣地への土入れ作業を行ったところです。この作業が、一苦労です。車が乗り入れできる搬入口がない為、土嚢袋に土を入れ、人力で数十袋を運び入れました。その甲斐もあり、現在の展示場は、このような状態です。
今年は、例年よりも3週間ほど早く梅雨入りした為、本格的に繁殖が始まるのは、もう少し気温が高くなってからと予想しています。是非、これからの繁殖期のコフラミンゴの様子にも注目してみて下さい。