園長ブログ(7) 出産と子育て

高見園長

こんにちは。動植物園長の高見です。

 

前回のブログから少し時間が空いてしまいました。前回の記事で子育てシーズン真っ盛りとお伝えしましたが、豊橋総合動植物公園・のんほいパークでは、今年も多くの動物が子を産み、雛をかえし、育てています。子供が成長していく過程で、少しは人の手をかける場面もありましたが、みな順調に育ってくれています。とても嬉しいことです。

生まれた動物が健康に育っていくことは当たり前のように思えるかもしれませんが、実は簡単なことではありません。例えば、動物園のチンパンジーが1歳を迎えるまでに亡くなってしまう割合は、ヒト(日本人)と比べると50倍も高いという調査結果もあります。野生下については調査が数少なく詳しいことはわかりませんが、天敵や餌といった条件を考えると、さらに生き残りが大変なのではないかと想像します。

動物園での動物の出産は、特別な場合を除いて、獣医師や助産師代わりの飼育員が出産に立ち会うわけでなく、生まれたての子を保育器に入れて体調管理をするわけでもありません。ヒトがそばにいると落ち着きませんし、子を親から引き離すべきではないからです。そもそも、野生動物は誰の手も借りずに出産、育児をするというのが自然な姿です。当園は、やむを得ない場合以外は、できるだけ自然な姿に沿った飼育を行うよう心掛けています。

ヒトと比べて高いリスクを生きている。そのことを知っていただき、そのような目で見ていただけると、「かわいい」だけでは言い尽くせない素晴らしさに改めて気づいていただけるのではないかと思います。

 

動物たちは、あっという間に成長します。暑い時期ではありますが、まだ幼さが残っているうちに、ぜひ会いに来てください。