初めまして
今回は研究員が取り組む研究の一例を紹介します。
みなさんは動物園で赤ちゃんが生まれたら嬉しいですか?
動物の赤ちゃんは動物園の人気者!
愛らしい姿に思わず足が止まって見入ってしまいます。
今年もたくさんの赤ちゃんがのんほいパークで生まれました。
しかし、赤ちゃんの誕生が動物園にとって嬉しいことばかりでないことを知っていますか?
動物園で生まれた赤ちゃんの多くは動物園で一生を過ごします。
赤ちゃんがどんどん生まれたら動物園はどうなるでしょう?
動物園はどうしても場所に限りがあり、飼育できる場所が十分に確保できなくなります。
ぎゅうぎゅう詰めで暮らすなんて想像しただけでも苦しくなります。
野生に帰すことは出来ないの?と思う人もいるかもしれません。
もちろん、アフリカに住む動物を日本の野生に戻すことはできないですし、国外への動物の移動はとても難しく現実的ではありません。
また、動物園の動物たちにとって動物園が知っている世界の全てです。
たとえ日本の野生に住む動物種でも、野生下に潜む危険もごはんを手に入れる方法もしりません。
動物園の動物は動物園が安心して暮らせる場所。
野生動物とは違うんですね。
少し難しい話になりますが、近親交配も赤ちゃんが産まれすぎると困ることの一つです。
近親交配って何?と思う方も多いでしょう。
簡単に言うと、親戚ばっかりになってしまい血縁がどんどん濃くなってしまうことです。
極端に言うと親子同士、兄弟同士で次の赤ちゃんを産むような状況です。
近親交配が進むと、赤ちゃんが健康に産まれないリスクが高くなり、病弱だったり子供を産めない体だったりいろんな問題が生じてきます。
そのため、動物園同士で動物の交換や移動を行い血縁が濃くならないようにしていますが、赤ちゃんが産まれすぎるとそれも出来なくなってしまいます。
生まれた赤ちゃんが幸せに暮らせない、そんな状況にならないようきちんと計画を立てる必要があるということです。
時には、赤ちゃんを産めないように薬を使ったり手術をしたりすることもあります。
現在、研究員はどんな方法が1番動物たちを苦しめず安全な方法なのかを研究しています。
今度、赤ちゃんを見た時にはこんな話があったなと少しでも思い出してくれると嬉しいです。