だれでしょう??
まずはシルエット登場!
んん? ・・・・・・いた!!
こちらを見ています。
目で見ているというより、耳で、鼻で、こちらを見ています。
耳がよく、鼻が利く動物ですよ。
みなさん、発見できましたか?
特徴チェック☆その1➡「ま~るい耳」 体
おっと、また木登りしています。
この垂直な木の高さは、4メートルほど。
あっ! てっぺんに登り切っています!!
この木の直径は、30cmほど。
とてつもない身体能力。
特徴チェック☆その2➡「木登り上手」 能力
黒いですねぇ。
逆光? 陰になっているのかな?
もっと、近づいてみましょう。
黒いですね!!
あれ。少しお顔が見えるような、見えないような・・・
みなさん、そろそろわかってきましたか?
特徴チェック☆その3「毛色はブラック」 体
よいしょ。
ほいさ。
おっと。
あ。
(ポトッ)
カンの箱を、持ち上げて遊んでいるようです。
手も足も、とっても器用ですね。
特徴チェック☆その4「後肢二足で立てる」
ここで大ヒント!
お顔が写ってますよ~
ブドウと、ヤマモモの実を食べていますね。
おいしそう・・・
動物園では、基本的に、蒸しイモ・蒸しニンジン・キャベツ・リンゴ・煮干し
など、お野菜を中心にを食べていますよ。
大好物は、まれに食べれる、ブドウやハチミツ。
期間(季節)限定で食べれる、ヤマモモの実(春)やドングリや栗(秋)。
なんでも食べるんですね。
特徴チェック☆その5「植物食の強い雑食性」 生態
よく食べたあとは、おやすみぃ。zzZ
木と一緒に寝る日もあれば、お気に入りのおもちゃと一緒に、寝る日もあります。
寝相もバリエーション豊富。
ブタ鼻なのも、特徴かも。
あ! トレードマークが写っています!
これでわかる人も、多いんじゃないでしょうか(^_^)
最大の特徴、胸元を飾る、白いV字!
個体によって、形はさまざま。
この形で、個体識別ができます。
ごくまれに、無い個体もいますよ。
そういう個体は、全身真っ黒。素敵な個性ですね。
みんな違って、みんないい!
特徴チェック☆その6「胸にある白い三日月模様」 体
みなさんは、どの段階の写真で、この動物の正体がわかりましたか??
さぁ! 答え合わせです!
正解は・・・・・・?
「ニッポンツキノワグマ」の「アイル」でした♪
正直に言うと、担当者であるにもかかわらず、
私ではアイルをきれいに美しく、写真に収める事ができません。
言い訳させて下さい。
単純に、写真を上手に撮る技術がないこと。
そして、写真を撮っているとき、アイルにばれてしまうと、
寄ってきてしまい、アングルどころではなくなってしまうこと。
なので、隠し撮りしたようなアングルばかりになっちゃうんです。
これなんて、ものすごい斜めの角度から、撮影しました。
アイルは、自身で遊びを考える事が、とても上手です。
なんでも、おもちゃにしてしまいます。
布系のおもちゃで遊んでいるとき、楽しくなってくると、
頭にかぶって歩き回ります。
興奮が最高潮に達すると、アイルはでんぐり返しをします。
お気に入りのおもちゃは、寝ころびお腹の上で、回します。
大好きなおもちゃは、私に紹介してくれます。
食べ物と、食べれない物の区別がちゃんとできるので、誤飲の心配はありません。
ツキノワグマは、みなさんが想像しているより、賢いと思います。
ガイドなどで、お客様とお話ができる機会に、よくそう感じます。
アイルは、飼育員を一人ひとり見分けています。
いつも着ている作業服ではない格好をして、
お客様側の観覧エリア(ガラス窓)から見ていても、
こちらに気づきます。
クマという動物は、基本的に、一点集中型。
そして、熱しやすく、冷めやすい。
なので、2つのことを同時に進めたり、
2つの物を同時に扱ったりすることは、難しいことです。
ですがアイルは、今年3才になって、身につけた技があります。
2つのおもちゃで同時に遊ぶことです。
遊ぶおもちゃを、足と手で分けたり、右手と左手で分けたり。
よく考えていますね。
今まで、私が一番驚いたおもちゃは、
オレンジの皮です。
咥えて走り回ったかと思えば、口と手でコネコネしたり。
それをもおもちゃにしちゃうのか!と、驚きました。
予想だにしないものがおもちゃになり、
これは面白いおもちゃになるだろう、と思って渡したものが、
とっても無視されたり。
でも、それでいいんです。
与えられたもの全てに同じ反応を示し、同じ遊び方をしていても、
アイルはきっと楽しくありません。
アイルの選択肢を、いかに多くするか。
『これもいいけど、あっちもいいなぁ。どうしよう。』
と迷い、頭・心・体を使って考える時間を、どれだけ長く生み出せるか。
また、アイルの選択方法のバリエーションを、いかに多く増やせるか。
『これはいらない! これは好き! 今はこれよりあれがいい!』
といったような心の豊かさを、より発展させ、常に高く保てるか。
私はそれを念頭に置き、アイルと過ごしています。
これからも、こーんな姿や、
こーーんな姿の、
アイルに、会いに来てください。
これより成長したアイルを目撃するのは、あなたかも知れません。
ツキノワグマ担当飼育員より