『9』!
何のことでしょう?この数字、今年孵化したジェンツーペンギンの数です。
ここ10年強の間、年間の最高孵化数が6羽でした。
有精卵を産んでも抱卵途中で割れてしまうことが多かったのです。
自分が担当になった初年度の去年も割れてしまう卵が多く、孵化までたどり着いたのは4卵でした。
どうにか破卵率を下げたかったので、営巣に使う石を全て交換することにしました。
今までは比較的大きな石だったのですが、サイズを小さくしました。これで、もし親が強めに抱卵しても
石が小さいのでうまくずれて、卵にかかる圧が逃げるのではないかと考えました。
2t近くの石を搬入し、なるべく角の無いものを選んでいきました。なかなか地味で大変な作業でした…。
それが功を奏したのか、今年は孵化まで進んだ卵の数が飛躍的に増え、9羽の雛が誕生しました!
ジェンツーペンギンの抱卵期間は38日で、1か月くらいの間でどんどん産卵していくので、
トータル2か月くらいの間は毎朝ヒヤヒヤしながら卵の確認をしていました。
掃除もなるべく刺激しないように細心の注意をはらって行いました。
本音を言うと、全卵孵化するまでは展示場に入りたくなかったです(苦笑)。
ただ、今回も破卵がゼロだったかというと、そうではなく、3つ破卵してしまいました。
また、ジェンツーペンギンは1回の繁殖で2卵孵化し、うまくいくと2羽の雛を育てます。
今回、2卵を抱かせて孵化までは進んだのですが、仮親に雛を預けたので、2羽の育雛まではチャレンジしませんでした。
この2点は次回以降の繁殖への宿題かなと考えています。
いま、孵化した雛はぐんぐん成長しているので、ぜひ今しか見れない雛を見に来てください。
極地ペンギン担当