今回はペリカンについて紹介したいと思います。
当園で飼育しているペリカンは、和名をモモイロペリカン、英名をWhite Pelican(ホワイトペリカン)といいます。
『桃色なの?白色なの?』と疑問に思うかもしれませんが、実はどちらも当てはまります。
このペリカンの体色は普段は白色ですが、繁殖期になると桃色に変わります。
このことから、このように名付けられました。
当園では雄のぺリと雌のカン、計2羽のモモイロペリカンを飼育しています。
長いこと、ゾウ舎裏の大沢池の一角で飼育していましたが、一昨年の秋にアフリカ園に引っ越して来ました。
環境にも慣れ、今ではアフリカ園の先住者のお隣さんであるカンムリヅルにちょっかいを出したり、
ガラス前に張り付いて、お客さんに写真を撮ってくれと言わんばかりにアピールしたりしています。
ぺリ(♂) カン(♀)
ペリカンの特徴といえば、真っ先に頭に浮かぶのは大きなクチバシだと思います。
この大きなクチバシは魚を捕まえるのに適しています。
そして、このクチバシの下には、のど袋があり、10ℓ以上のたくさんの水を含むことができます。
ここまではイメージ通りですよね!?
しかし、実はペリカンののど袋には意外な機能があるのです。
最近は、暑い日が続いているので、のど袋の機能を使っている様子がよく観察できます。
ズバリその機能とは、クーラーです。暑い時期、ペリカンは、のど袋を頻繁に揺らしています。
大きな、のど袋には血管がたくさん通っているので、のど袋を揺らすことにより、
血液の温度を下げ、体温調節の働きを助けることができるのです。
また、鳥の仲間では珍しく、群れで漁を行います。
野生化ではクチバシを網の代わりにし、群れで魚を岸に追い込んで捕らえるそうです。
のど袋を揺らし、体温調節を行っている様子
給餌の様子
動物には進化の過程で、意外な驚くべき機能を獲得した種類がたくさんいます。
このような観点に着目して、動物を観察するとより動物園を深く楽しめるかと思います。
動物園で新たな発見をし、何か一つでも学んで帰ってもらえると嬉しく思います。
ペリカン担当者