昨年3月に雄ゾウの大放飼場がオープンし、5月にはインドから3頭の若いゾウ達が来園しました。
新しい大放飼場に慣れるダーナとすべてが新しい環境となるインドから来た3頭のゾウ達、ちゃんと環境に慣れてもらえるか飼育員は大変心配な日々でした。
昨年の猛暑はゾウ達の体調に細かく配慮しながらなんとか乗り越え、秋頃にようやくダーナとインドから来た3頭は新しい環境に慣れたように感じられました。
さて〝環境に慣れた〟と先ほど申しましたがどのように環境に慣れたと判断しているのでしょうか?
私の場合は環境に慣れた指標として主に
・採食時間、採餌量
・睡眠時間
・ゾウ同士の関係
・放飼場や室内のスペースの使い方、動きの速さ
・糞の状態や量
・飼育員への反応
このような観点でみています。
その中で睡眠との関係性について今回はご紹介したいと思います。
当園の場合、睡眠とは横になって寝る横臥睡眠のことです。ゾウは立位しながら休息する時もありますが、横臥睡眠を基本に判断しています。
ストレスや不安、体調が悪い時などは横臥睡眠が減少します。全く横臥しない日もあります。逆に横臥睡眠時間が全頭平均して1時間以上伸びる事もあります。
1時間伸びる時期、それはどのような時だと思われますか?
答えは春と秋になります。
夜間の気温が15度前後の時によく眠る傾向があるようです。当園のゾウ達はアジアゾウの中で一番大きいインドゾウなので体積の大きさも関係してこのような温度で快適に眠れているのかもしれません。
ちなみに当園のゾウ達の平均睡眠時間は
ダーナ 約2時間
チャメリー、チャンパカ 約3時間
アーシャー、ドローナ、バヴァ―二 約4時間
このように個体によっても多少ばらつきがあります。アーシャーはイビキをかいたりすることもあるんですよ。
そんなゾウ達が快適に眠ることのできる春はもうすぐです。早く春が来て欲しいと願うのは人間ともしかしたらゾウ達も同じかもしれません。