暖かい日々が続き、春を感じられるようになりました。
春服への衣替えを考えている方もいるのではないのでしょうか。
動物の中にも年に2回、春と秋に衣替えをするものがいます。衣替えとはいっても、動物は服を着ないので、代わりに換毛といって、夏毛と冬毛を生え替わらせています。
夏毛は、夏の暑さに耐えられるように密度が低く、風通しの良く、見た目も少しスリムに感じられます。
逆に、冬毛は密度が高く、フワフワしているため保温性も高く、冬の寒さにも耐えることができます。
全身が体毛に覆われている動物の多くは、換毛をします。身近な動物でいうと、ペットとして飼われていることの多いイヌやネコも、同じ時期に換毛があります。換毛期に入ると春は冬毛が、秋は夏毛が大量に抜け落ちます。
さて、最近、郷土の動物エリアで飼育しているヤクシカやニホンカモシカの展示場でも、冬毛が落ちていることがありました。
まだ、換毛期が始まったばかりなので、落ちている毛の量は少量なのですが、体を見ると、浮き出ている毛がたくさん見られます。シカやカモシカは、展示場にある柵や樹木に体を擦り付けて、不要な毛を落としています。そのため、地面だけでなく、柵や樹木に毛がついていることもあります。
毛がたくさん抜け落ちていて病気なのではと心配に思う方もいらっしゃるかと思いますが、時期的なものですので、ご心配なく。
個体によっては、夏と冬で違う動物なのではと疑ってしまうくらい見た目が変わることもあります。
冬のフワフワとした姿からどのように変わるのか、普段あまり注目されることの少ないシカやカモシカではありますが、この機会にぜひ注目してみていただきたいです。
季節の変わり目ですので、皆様も体調には十分お気をつけてお過ごしください。