ふれあいひろばリニューアルについて

飼育員

今回は10月からリニューアルした平日のふれあいひろばについて書きたいと思います。

 

最初に、昨年と今年の夏季は気温も高く動物たちにも辛い季節であるためふれあいや乗馬などのイベントをお休みしていました。

今回はこの休止していた期間に職員の中で「ふれあいとは?」というテーマで考えあった内容について少し紹介したいと思います。

 

まず、ふれあいひろばのコンセプトをしっかり持ちたいという考えで「ブレインストーミング」という方法で職員それぞれが考えていることを引き出すところから始めました。

 

思ったこと感じたことを書きだしていった

 

そんなこんなでみんなから出てきたふれあいのイメージをぎゅっと濃縮して絞り出されたふれあいのコンセプトがこちら!

 

『わたしと“あなた”のコミュニケーション』

 

いいですね~!

それでは細かく見ていきましょう。

わたし → 来園者

あなた → テンジクネズミやウサギ、骨格や卵・角などの標本と飼育員、来園者同士、動物園にいる野生動物たちの情報

コミュニケーション → 広辞苑では

  • 社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする。
  • 動物個体間での、身振りや音声・匂いなどによる情報の伝達

とある。

※私たちは人間と動物の境界をなくしたイメージで考えました。

このようなコンセプトを軸にふれあいひろばでできることを考えていきました。

 

今回ふれあいひろばをリニューアルするにあたって私が伝えたいと思っていたことがあります。

それは「ふれあいは一方通行の思いじゃ成り立たないよ」ということ。

ふれあいというと、こちらの触りたいという気持ちが先走ってしまうことが多いです。

しかし、相手がいてはじめて“ふれあい”というのは成り立つもの。

生きている動物がその対象であれば、その動物の反応や仕草をよ~く観察して動物の気持ちを考えながら触れてほしい。もし動物が逃げたり嫌がる様子を見せたとき、「触らせてくれんかった~つまんな~い」と思うのではなく、何が嫌だったのかな?とか、どうしたら怖がらせずに触れるかな、などと考えてほしいです。

そんな風に相手のことを考えてあげる、想ってあげられることがふれあいの大切な要素だと感じます。

それは生きた動物だけではなく、触るという意味でのふれあいができない野生動物にも通じるものがあります。

そんな思いもあり、リニューアルしたふれあいひろばでは観察専用のテンジクネズミエリアや、生きた動物だけではなく骨格や角、卵の標本なども用意しました。飼育員から直接話が聞けるのでぜひぜひなんでも聞いてください!さまざまな視点で生き物に想いを馳せてほしいと考えています。

その他にも当園で飼育する野生動物情報コーナーも用意し、動物園を回る際に知っておくと観察するのが楽しくなるような情報を掲示しています。

 

そんな飼育員の想いが詰まったふれあいひろば、のんほいパークにお越しの際はふれあい広場からスタートして動物園をまわってみてはいかがでしょうか?

大きく3つのブースがあります

 

観察専用のテンジクネズミ

 

観察するヒントもあるよ

テンジクネズミは見ていて飽きません

こちらは触ることもできるよ

 

性格はみんな違うよ、どんな性格なのかよ~く観察しながら触ってみてね

 

テンジクネズミのエリアには大きな黒板を用意しています。これもコミュニケーションのひとつ。「あなたの気づきが誰かの気づきになったらいいな」という願いも込めてます。

 

ここでは飼育員に直接いろんなこと聞けちゃいます

 

標本もじっくり観察してみよう

 

のんほいパークのゾウの関係性名付けて「ゾウ関図」や動物の群れのパターンなどが紹介されているよ。これを見て動物園をまわるといつもと見方が変わるかも。

※これは学芸員実習に来た生徒さんが作成してくれました!

 

いろんな鳥の羽が紹介されています。羽から想像して実物を見に行くのもおもしろいかも。

 

なかよし牧場担当