インドから来園した3頭の故郷「南インド」への旅

飼育員

こんにちは!アジアゾウ担当です。

 

5月19日は、ドローナ・チャンパカ・バヴァーニ(この先、3頭と呼びます)がのんほいパークに来園した日です。今年で来園して2年になりました!3頭はこの2年で体が大きく成長しましたが、まだまだ子どもらしさも残り、毎日さまざまな表情を見せてくれます。

 

右からドローナ、チャンパカ、バヴァーニ

 

さて本題になりますが、私は今年2月に、念願だった3頭のふるさと「南インド」を訪れました。

 

インドには、世界中の野生のアジアゾウの半分以上(約3万頭)が生息しています。特に南インドは野生のゾウが非常に多く、地域によっては人間のすむエリアにもゾウが出没します。

 

川へ水を飲みにきた野生のゾウ(人の住むエリアから約40メートル先)

道に落ちている新鮮なゾウの糞(宿舎から約100メートル先の一般道路)

 

野生のゾウと出会う環境に身を置くのはとても恐怖を感じましたが、地元の人はゾウがよく出るポイントや獣道、遭遇した時の対処法をよく知っていて、とても貴重な経験でした。野生のゾウの話についてはまたどこかの機会でお伝えできればと考えています!

 

そして3頭が暮らしていた動物園「スリ・チャマラジェンドラ動物園(マイソール動物園)」にもお邪魔しました!休園日にも関わらず、たくさんの職員の方々に大変手厚くもてなしていただきました。

 

スリ・チャマラジェンドラ動物園

 

マイソール動物園は広さ約64ヘクタール。のんほいパーク(約40ヘクタール)よりも広い動物園です。ゴリラやチンパンジーなどの類人猿やアフリカの動物、は虫類や鳥類のほか、インドヒョウやインドサイ、ナマケグマなどインドの動物たちがたくさんいます。そしてゾウのエリアには6頭のアジアゾウとアフリカゾウ1頭が暮らしています(園外にある非公開エリアにもゾウがいます)。

 

インドサイ

スマトラトラの展示場

アジアゾウ展示エリア

 

動物園の方は、3頭が日本で元気に過ごしていることをとても喜んでくださいました。3頭を担当していた職員の方々も、彼らのインドでの様子をたくさん教えてくださり、3頭が今でもインドでとても愛されていることを実感しました。

 

ところで、当園に来園したチャンパカ(メス)はとても面倒見がよく、来園時から血縁関係のない年下のバヴァーニをよく守ってくれます。その理由が、マイソール動物園に来てようやくわかりました。

 

 

写真の小さいゾウは野生から保護個体で、隣のゾウが母親がわりになって育てています。マイソール動物園にはこのような野生から保護された個体もいます。実はチャンパカもインドにいた時、自分より小さな子ゾウの面倒を見ていたようでした。そしてチャンパカがお世話をした子ゾウは今、若い子ゾウの面倒を見ています。

 

最近バヴァーニも、夜寝ているチャンパカを脚の間に挟んで守ったり、興奮したゾウをなだめたりする姿が見られます。チャンパカがインドで経験したようなことを、今はバヴァーニが学んでいるように感じます。来園時5歳だったバヴァーニもまもなく8歳、10歳だったドローナとチャンパカは12歳になりました。故郷から遠く離れた日本でも、3頭は少しずつ大人に近づいています。

 

3頭は今後、繁殖や子育てなど大きな経験をすることとなると思います。まさに今がこれからの3頭の未来を決める大切な時期です。3頭が心も体も健康で大人になれるよう、私もより一層彼らのために頑張ろうと思います。来園3年目、今はまだ遊びたい盛りの元気な3頭を、ぜひのんほいパークで見ていただけると幸いです!

 

 

大変長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

アジアゾウ担当

 

チャンパカの花