「研究会で発表してきました!」

研究員

こんにちは。

鳥類、オランウータンなどの担当飼育員です。

 

動物園の飼育員の仕事は園内だけに留まりません。

今回は、飼育員の動物園の外でのお仕事のお話です!

 

動物園で飼育している動物は珍しい種類が多く、飼育の仕方なども犬や猫のように「飼い方の本」はありません・・・

そんな時に頼りになるのが、日本各地の動物園で同じ動物や似ている種類を飼育している、飼育員や獣医師です。

珍しい動物を担当している飼育員どうしだと、別々の動物園の所属でもかなりこまめに連絡を取り合ったりしています。

また、動物を飼育している中で分かったことなどを、お互いに発表し合う会もあります。

近い地域で集まったり(のんほいパークは中部ブロックに所属)、ゾウやホッキョクグマだけの会議だったり、獣医だけが集まったり・・

いろいろな会議がありますが、動物園関係の中で最も大きな会議の一つに「動物園技術者研究会」があります。

 

 

年に1回開催されます。今年は1月末に福岡で開催され、全国から約100人の動物園などの関係者が集まり、30題以上の研究発表が行われました。

今回、私はこの(通称)全国会議という大舞台で発表することになり、無事に発表を終えてきました。

発表タイトルは「世界初となる亜種アカモズの人工孵卵と育雛について」

 

まさかの、2日間みっちりある会議の1日目の1題目の発表で、前日の夜からめちゃくちゃ緊張していました。

 

 

会場こんなんですよ!ちょっと高いステージに、シャンデリア・・

ガタガタ震えて、持っている原稿もガタガタしていました。

 

内容は、昨年当園で初めて人工繁殖と育雛に成功したアカモズを保全するに至った経緯や、卵の温め方、生まれてからの餌の与え方、ヒナがどのように成長したのかなどについてです。

 

アカモズの保全については、当園のHPもご覧ください↓

akamozutorikumi.pdf (nonhoi.jp)

 

ガタガタ震えながらでしたが、無事に発表することができました。

他の動物園の方からも大変興味を持っていただくことができ、たくさんの質問をしていただけました。

 

また、この会議の主催は「日本動物園水族館協会」なのですが、秋篠宮皇嗣殿下が総裁を務められており、今回の会議にも出席されていました。

発表後の質疑応答の中で、秋篠宮皇嗣殿下にもアカモズの生息数が減少している要因について質問をいただきました。

当園での取り組みやアカモズのことについて興味を持っていただき、質問までしていただくことができ、大変光栄です。

 

また、発表会後の懇親会などでも、全国の動物園で鳥類を飼育されている方々と意見交換をすることができました。

アカモズを飼育している園は当園だけですが、スズメやツバメなど身近な鳥類を飼育している方、大型の鳥類の繁殖に力を入れている方、ライチョウなど私たちと同じように日本に住む希少種の保全を行っている方々と意見交換ができ、大変有意義な時間になりました。

 

また、この1年間、もともと飼育していた動物たちのお世話をしながら、アカモズの飼育も並行して行い、楽しいことや面白いと感じることもありましたが、大変だったことやきつかったこともたくさんありました。

そんな中で無事にアカモズを育てることができ、なんとかやり遂げられた!と達成感はありましたが、今回いろいろな関係者の方にお褒めの言葉をいただいたことで、さらにこの1年間の苦労が報われた気がしました。

 

また、このような結果を発表することが出来たのは、周りの皆様のおかげです。

小鳥の繁殖の技術を磨き、教えてくださった飼育員の先輩方、このような機会を与えてくださった、周りの動物園の職員の皆様、アカモズ保全のために一緒に取り組んでいるグループの皆様、飼育補助を手伝ってくれた学生のみなさん、たくさんの方のおかげです。

この場を借りて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。

 

さて、アカモズの保全はまだまだスタートを切ったばかりです。

これから取り組みたいことはまだまだあります。

日本でまた、アカモズが普通に見ることができる鳥になるように、これからも頑張りたいと思います。

応援よろしくお願いします!

 

 

 

おまけ

 

動物園技術者研究会では、当園の動物研究員もポスター発表を行いました。

 

 

そして、一番優秀なポスター発表に与えられる「ベストポスター賞」に選ばれました!!

(私も・・表彰されるような・・優秀な・・発表が・・出来るように・・なりたい・・)

 

 

鳥類、オランウータンなど飼育員より