アジアゾウの足の裏

飼育員

まだまだ朝は冷えて、冬の残りを感じる日が続きますね。

 

ゾウたちの朝は、足のケアからはじまります。

野生下では行動範囲が広いゾウたちを動物園で飼育しようとなると、なかなか野生と同じようにというわけにはいきません。

そのため夜間に、ウンチを踏んでしまったり、コンクリ面にあった石を踏んでしまったりすることがあります。

そうして足の裏に汚れがついてしまったり石がささったまま放置してしまうと、バイ菌がはいり、化膿してしまったりなど健康状態も悪くなってしまいます。

 

そうならないように、ゾウたちにトレーニングに協力してもらって柵から足を出してもらって、

職員が足を洗ったり、馬の削蹄道具やハサミなどを使ってケアを行っています。

 

こちらが削蹄前の写真です。

 

 

この足は、後ろ足なのですが指の本数を数えてみてください。

アジアゾウは、前足には5つ、後ろ足には爪が4つついています。

そして、かかとのあたりには、骨との間に10cmほどの脂肪層があり、足裏は角質でおおわれています。

 

こちらが10分ほど削蹄を行ったあとの写真です。

 

 

今回は、まん中の爪とその根元まわりを削りました。

 

 

 

より近くの写真を見ていただくと、まだまだ亀裂が残っているのが見られるかと思いますが、

なるべく汚れが詰まってしまったところを取り除いて、汚れが詰まりにくいように表面がなめらかになるように心がけています。

 

こちらは、足のケアをするために使っている蹄刀です。

 

 

足裏の削る場所によって使い分けています。

この蹄刀も職員が手入れをしているのですが、先がカーブをえがいているため、研ぐのが難しいです。

その先を使って、削りたいところもあるためしっかりと手入れをしなければなりません。

 

まだまだ力不足のため削蹄に時間がかかってしまいますが、ゾウたちの負担の軽減のためにも、

より短い時間で、ゾウたちにストレスを与えないようなやり方を目指していければと思っています。