とにかく楽しくのんびりと

飼育員

こんにちは(‘◇’)ゞ

 

アムールトラのトレーニングについてご紹介したいと思います。

現在は16時15分の収容後に寝室内でハズバンダリートレーニングをおこなっています。

(現在は皆さまからはご覧いただけない場所でおこなっています。ご了承下さい。)

 

さてハズバンダリートレーニングとは、動物に一方的に麻酔や捕獲などをして治療するのではなく、動物自身にも協力してもらい自発的に体を柵に寄せたり、手を出したり、動物への負担が少ない状態で採血や診察などをおこなうためのトレーニングです。

その目的は体重測定や採血など様々ですが…

 

アースの現在の目標はワクチン接種!!

(のんほいパークでは年に1度、ネコ科の一般的な病気予防のためにワクチン接種をおこなっています。)

 

アースは最近まで柵寄せ(私たちが立つ側に体を横にして寄せてほしいということを伝える)トレーニングをしていました。

現在はかなり理解してくれていますが、これを伝えるのに結構時間を要しました…。

警戒心の強い野生動物に対して「横を向いて(飼育員が動物から見えていない向きで)体を柵へ寄せてね。こちらから腰を触るからね。痛くないから気にしなくて大丈夫だからね。」なんて伝わるはずがありません。人間でも自分が見えない場所で体を触られるのは怖いですよね…。実際肉食動物に対して柵へ平行に体を寄せてもらうトレーニングをおこなう際には、最初から通路が狭い場所に入ってもらったり、ベンチのような台を作成し、その台に乗ってもらったりするなど、物理的な力をかりて柵へ体を寄せてもらう方法がとられることが多いです。最初はアースにも台を持ってきてみたり、物理的な方法を色々試してはみたのですが…、3歳で元気盛んなアースにとってはすべてがおもちゃとなって消えていきました…笑(楽しそうなキラキラした眼をして持っていってしまうのだから、せっかく準備したけれど嫌な気には全くなれず…!)そんなこんなで時間はかかるけれど、アース自身に柵に体を寄せることを理解してもらう方法をとりました。今はそんな段階を乗り越えつつ、次の脱感作(針などの刺激に対して段階を踏んで徐々にその刺激に対して慣らしていく方法)という段階に進み始めています。

 

アースは私たちをよく観察し、呼びかけにも反応してくれています。

トレーニングの時間はアースも認識しているようで、いつもの位置で「やりますか?」と言いたげな顔で待っていてくれたりもします。とっても協力的です。

今回のトレーニングについては、特にアースが乗り気で楽しく取り組めることが最優先です。これからもアースの歩幅で一緒に楽しく進めていきます。

今後嬉しいお知らせができるように頑張っていきますので、温かく見守っていただけますと幸いです。

 

最後に

私事ですが…肉食動物とトレーニングをすることはアースが初めてです。草食動物では触って教えてあげられていたものが、肉食動物では難しかったり…(距離感が難しい…)。私の経験だけではクリアできないこともたくさんあります。そんな中、他の動物園のトレーニング技術者である先輩方にたくさんご指導を頂いています。この場をお借りしまして、感謝申し上げます。