暑い夏が過ぎたと思えば、もうお正月の足音が聞こえてきました。月日の流れは早いものですね。
今回はキリンの輸送についてお話させていただきます。
動物の移送は多かれ少なかれ国内の動物園水族館で行われていると思うのですが、その中での大変さは上位クラスのキリンの輸送が今年は2件あり非常に忙しい1年だったと思います。キリンは大人になると、輸送の箱がなかったり積載車がなかったり輸送に関わる費用が高額になったり・・・輸送が困難になってくるので、小さい子供の時期に輸送される事が多いです。今回搬出されたのが、6月末に大人の雌のキリン リンと、11月に1歳の雄のキリン キリュウ(ともに豊橋産まれ)の2頭が当園から搬出されました。
様々な動物の搬出計画はかなり前から動き出しています。大きな動物になれば箱を釣り上げるクレーンや、輸送に最適な積載車などが必要になり、事前に打ち合わせを行い当日それらが動物園に集合して積み込んでいくことになります
輸送日決定後、輸送箱の搬入の準備をして輸送箱の搬入、動物の隔離をして箱入れトレーニングを行います。輸送前から輸送時できるだけ落ち着いていられるように時間をかけて輸送日前までトレーニングして行きます。搬送時間にできるだけ近い時間帯でトレーニングを行ったりしながら当日を迎えます。
グループ員各自様々な役割がありリハーサルや打ち合わせを事前に入念に行います。役割は普段の飼育作業から検討して計画していきます。
輸送当日、普段と変わらない事を装い、いつもと同じように動物に接して過ごしますが、飼育員の気持ちはドキドキして、やり残したことはないか?色々考えて不安がいっぱいになります。輸送時間を逆算して箱内にできるだけ短時間になるように箱入れ時間を設定してグループ員がその時間に集合します。2頭とも夕方頃の箱入れでした。箱入れがうまくいかない場合に備えて、第2、第3の案を用意しておくようにしていました。リンの場合は3回目で無事に箱入れ完了、キリュウは1回で箱入れが完了しました。無事箱入れが完了。輸送の準備をしてトラックに積み込み、目的地へ出発します。
簡単にまとめていますが、動物の輸送というものは、大きい小さいとか、種に関係なく事前準備から当日まで大変なものです。動物にはもちろん負担になりますが、その負担をできる限り軽減できるよう考えてトレーニングしてり、また事前の入念な計画とリハーサル等を行うことが安全な輸送になるのかなと思いました。今回のキリンの輸送にはたくさんの方々、獣医師、業務長、グループ員の活躍があってのことと思います。関係者皆様、応援して頂いた皆様に感謝したいと思います。ありがとうごいざいました。
2頭とも新天地で元気にすごしています。ご安心ください。