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お知らせ・イベント

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2024.08.09

アカモズ保全活動、本年の経過について

お知らせ 動物園
国内希少種アカモズの保全活動の経過について

昨年より、人間環境大学環境科学部フィールド生態学科岡久研究室、長野アカモズ保全研究グループ、信州大学理学部、一般社団法人野生生物生息域外保全センター等と共同で、絶滅危惧種アカモズの保全を目指した取組みを行っています。
2年目となる本年は、長野県内におけるモニタリングにより41つがいのアカモズを確認し、捕食などによって親鳥が放棄した巣に残された19卵を保護し、当園にて人工孵卵・人工育雛することにより、11羽を育成することに成功しました。
2年連続の人工孵卵・人工育雛の成功は、絶滅の危機に瀕しているアカモズの保全に対して極めて重要な成果と言えます。
今後は、飼育下での繁殖などにも取り組み、アカモズの保全を推進していきます。

 

【アカモズ(Lanius cristatus superciliosus)】
アカモズはアジアに広く生息しているが、本亜種は日本のみで繁殖し東南アジアで越冬する渡り鳥であり、環境省レッドリストで絶滅危惧IB類に選定され、種の保存法において国内希少野生動植物種に指定されている。本州個体群については、2022年時点で45つがいのみが確認されており、2026年にも地域絶滅することが予測され、本種の絶滅を回避するためには、生息域内保全を進めると同時に、生息域外保全を推進することが必要とされている。

【本事業の今後の予定】
現在飼育している個体をファウンダー(始祖個体)として飼育下での繁殖を実施することで、飼育個体群を確保し、アカモズの短期的な絶滅の回避を目指します。また、生息域内での保全活動をさらに強化することでアカモズの減少を抑制することが求められます。将来的には、飼育下で生まれた個体を野生復帰させることで、アカモズの野生個体群が安定的に存続可能な状況に達することを目指します。

【関連リンク(共同実施者の本件に関するページ)】
人間環境大学
信州大学

※本事業は、共同実施者と協力して、JSPS科研費(24K08959)、環境省生物多様性保全推進交付金、日本動物園水族館協会野生動物保護募金、東京動物園協会野生生物保全基金及びサントリー世界愛鳥基金の助成及び人間環境大学奨学寄附金を用いて実施しています。
※採卵や飼育等は、環境省による許認可のもと、関係法令を遵守して実施しています。